「立ち乗りなのに座席ベルト?」ナンバー登録保留をきっかけに見えてきた、新小型モビリティを取り巻く法整備状況②


皆さん、こんにちは。

フヂイエンヂニアリングの小林です。

今回は先週の続きで、ナンバー登録保留について記事を更新します。

(前回の記事はコチラからご確認いただけます。)


※当記事は電動キックボードメーカーの一販売員が現場のリアルな状況を発信するという趣旨で執筆したものです。発信内容については十分に確認を行い、顧問弁護士のチェックも入れていますが、至らない点についてはご了承ください。


立ち乗りなのに座席ベルト?

前回お話しさせていただいた通り、平成30年4月27日に公布・施行された保安基準の細目告示の

・座席ベルトの装備義務化

・頭部後傾防止装置(ヘッドレスト)の装備義務化

を根拠に、ナンバー登録が保留となってしまうということが今年に入り2件発生しました。 当社の電動キックボードSunameriとXiaomeriは周知の通り、立ち乗り式となっております。


保安基準第66条「乗車装置」の中では、

原動機付自転車の乗車装置の構造に関し、(中略)乗車人員が動揺、衝撃等により転落又は転倒することなく安全な乗車を確保できる構造でなければならないものとする。

とされていますが、座席の装着が義務であるという旨の記述はどこにもございません。 「書いていないからOKだ」というのが安易すぎる解釈だったとしても、実際に巷には多くの立ち乗り電動キックボード(ほとんどが二輪ですが)が出回っています。各地で実証実験も行われており、事実上「保安基準に適合している」と認められていると言っていいのではないでしょうか。もし当社の電動キックボードが立ち乗りを認められないということであれば、他の二輪タイプのキックボードが許可されている根拠が不明です。

当社のモデルは三輪であるために指摘されたのかとは思いますが、立ち乗りモビリティに「座席ベルトとヘッドレストをつけてください」と言われても「どうしたらいいの...?」という状態に陥ってしまったのでした。



「保安基準に適合している」と判断するのはどこの機関なの?


実は以前より私たちは困っていました。 2018-2019年Sunameriを開発していた当時、保安基準の内容を問い合わせるため運輸局に連絡をしましたが、明確な回答をいただけませんでした。結果的に自分たちで法律を読み込み、解釈し、開発を進めるしかなかったのです。どこかの機関がこれはOK、これはNGと明確な判断を示してくれたら、こんなに助かることはありませんが、現状そのような仕組みはありません。 お察しの通り、そもそもこの保安基準が作られた時には、電動キックボードのようなモビリティが想定されていなかったのです。今出回っている電動キックボードはそれぞれ、大なり小なり保安基準に合わせる形でなんとか帳尻合わせをしている部分があることは否めません。


さらにややこしいのは、原動機付自転車やミニカー車両のナンバー登録・発行の権限があるのは、市町村であるということです。

今回当社車両のナンバー登録を保留にした役場の担当者さんからは

・登録の詳細については、国土交通省に連絡を取って確認してください。

※ナンバー発行の権限は市区町村にあるものの、技術的な部分についての判断は市町村では難しいため

・国土交通省から何かしらの書面(ナンバー登録が可能であるという旨が分かるもの)を発行してもらい提出してください。 と言われました。 しかし、そのリクエストに応えるのは非常に難しいことであることは分かっています。 私たちは顧問弁護士を通して国土交通省にこの件に関する照会書を出していたのですが、国土交通省からは文書での回答はなく、電話での説明に留まりました。

文面に残すことで公式な回答となり、責任問題になることを恐れているのではないのかなという印象を受けました。

このような状態では国土交通省からの文書を取り付けられるとは到底思えません。


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今日はここまで。次回は私たちの想い、そして今後について書いていこうと思います。

来週更新します!

新しいことに挑戦すると、このようないろいろな問題が出てくるのは致し方ない部分ではあります。何とか乗り越えて、諸々の制度が整えられていくことを願うばかりです。






本日公開した動画です。

「金属加工部品ができるまで」

本田技研工業や鈴鹿サーキットがある鈴鹿では、その周りでも多くの町工場が技術を高めてきました。そんなモータースポーツの町鈴鹿でものづくりをする私たちは、多くの会社さんにご協力をいただきながらSunameriを製作しています。


今回はSunameriの金属加工部品製作の現場を取材させていただきました。

機会が稼働する様子、アルミの塊から部品が削り出されていく様子は、いくら見ても見飽きない面白さがありました。

是非ご覧ください!